ジュビレーション!の公演期間も残すところ1ヶ月を切り、いよいよ30周年も間近に迫ってきました。続々とアニバーサリーの概要も明るみに出て来はじめました。多少の盛り上がりがある様相です。

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寒かった閑散期もいよいよ終わりますね。


さて、先頃こんなニュースが舞い込んで来ました。

オリエンタルランド、「ブライトンホテル」買収 :日本経済新聞
オリエンタルランド、「脱ディズニー」へ一手 | 東洋経済オンライン

珍しくOLCのニュースです。しかし内容は舞浜外のお話。上記記事にもある通り、舞浜のコンテンツは国内最強とされているので、大きな動きがなくとも心配ないんですかね。否、そうも言ってられない状況が迫ってまいりました。それが2014年、2015年と立て続けに訪れるであろう二つの脅威。それは果たしてTDRにとって本当に脅威となるのかどうか。

WDWさえ脅かした最初の脅威

まず来年訪れるのが最初の脅威。それはUSJの大規模拡張のことです。新たに建設されるハリーポッターのエリアは元々フロリダはオーランドにあるユニバーサル系パークに新設された施設です。これがオープン以降、同パークの入場者数が二年連続でおよそ30%増と大きく貢献したことが話題になっています。このエリアを迎え撃つ形で大きくテコ入れされたといってもいいのが、フロリダのニューファンタジーランド。ディズニー側も意識せざるを得ない存在ということがわかります。これが遂に大阪に、アメリカ国外初として誕生することになります。USJとしてもここまでの大規模拡張は初めてとなります。これがTDRのアニバーサリー明けとなる年にぶつけてこられるわけです。広告展開次第ではかなりの脅威となる可能性は十分にあるわけです。

香港とは違う二つ目の脅威

さらにその翌年2015年の恐らく末頃にオープンするとされているのが上海ディズニーランド。こちらも先頃新しいイメージが発表されました。今までの計画段階でも、ライドアトラクションを携えた大きなお城やトロン等の世界観を取り入れた新しいトゥモローランドなど、全く新しいマジックキングダムパーク(東京でいうTDL)が誕生しそうな気配です。香港もビッグ・グリズリー・マウンテン・ランナウェイ・マイン・カーをオープンさせ、ミスティックポイントという新しいエリアのオープンを控える中で黒字化も達成しています。アジアのディズニーパークが大きく勢い付いてきています。

TDR30周年は史上最大…?

では一方で今年30周年を迎えるTDRはどうなのか。さぞや盛大なアニバーサリーとなるであろうこの一年、新しくお目見えするのは東京ディズニーランドのお昼のパレード、くらいなものです。蓋を開けてみると毎年恒例の季節イベントで中身が変わるのは夏のディズニーシーとハロウィーンのディズニーランドだけ。それ以外は昨年とほぼ同様のプログラムが行われます。また目玉とされるスター・ツアーズもあくまでリニューアルオープンであり、新設ではありません。そして何よりそのスター・ツアーズがオープン以降、現状としてTDRのこの先の大型投資の計画は未だ発表されていないのです。アニバーサリーイヤーとしてはむしろ過去のものに比べると縮小しているように見えます。果たして、本当にこのままで東京ディズニーリゾートは一人勝ちを続けていけるのか。

それでもTDRは最強か

結論として、TDRはどんな状況下においても強いと思います。東京首都圏に隣接するというこの上ない立地に加え、ディズニーキャラクターという日本人が大好きな最強コンテンツを有しているからです。USJや他のテーマパークがどう頑張っても越えられないのはやはりこのキャラクター分野でしょう。現に今の縮小・合理化が止まらないTDRにおいてもキャラクターグリーティングの力の入れようはディズニーファンの多くが感じていることではないでしょうか。新しいキャラクターを投入したり、新しいグリーティング施設を増やしたり。各種有料プランやスポンサー会社経由でのスペシャルグリーティングなんていうのも密かに人気を博しています。逆に言うとキャラクター頼みにますます傾いているパークは先の展望が無いように感じて不安でなりません。きっと次にオープンする施設もグリーティング施設のような気がします。

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ミニーやプリンセスのグリーティング施設はTDLにあっても良いかも


スリム化が止まらないTDR

というわけでいかがでしょう。TDRの将来が不安になりませんか。余談にはなりますが、昔からのディズニーファンも30周年を迎えるパークに対して寂しく、また不安に感じていると思います。つまりは合理化傾向にある今のパーク戦略に対して。

例えばショーやパレードにおいては、レギュラーショーへの投資は惜しみません。しかしスペシャルイベントにおいては既存のバンド等のパフォーマー、キャラクター、ダンサーを存分にフル活用し、また小型化、分散化することにより多くのゲストの要望に応える形に変化しています。グッズはアイテム数を売れる傾向にあるものだけに絞り、ノンリゾートブランドの商品を大量に仕入れることで空いた棚を埋めています。アトラクションも映像やプログラムを将来フレキシブルに変えられる仕様にすることで、スクラップ&ビルドよりも更に低コストで維持していけるものばかりが導入されています。挙句キャストのコスチュームまで多くのエリアで統一化や“使い回し”が目立ってきました。

年々縮小傾向にある舞浜を嘆く者に投げかけられる合言葉は「慈善事業じゃないんだから仕方がない」。それは誰しもわかっていることではありますが、もし、このままのパーク戦略に影がかかり始めたら、TDRはどちらへ舵を切るのでしょうか。寧ろそれはそれで“楽しみ”とも言えそうです。